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「俺、女の子だったら良かった。そしたら、葵さんの、きっと入るのに」
ローションが要らないくらいしとどに濡れた女性器は苦も無く葵を飲み込み、包み込み、思うさま味わうことだろう。葵の屹立は身体の奥まで進んで、何度も体内の粘膜を擦って、気持ちよくなって、射精するのだ。
「……あっ、あ……」
葵のローション塗れの指が、春斗の入口につぷっと入って来た。
「あ、……ん、や」
頭の中で、自分には無いはずの女性器に葵が射精しているところを想像していたから、おかしな気持ちになっていた。
ついさっきまで嫌悪感しか抱かなかった、肛門を辿る指が、違う刺激をもたらしている。
入口を入った指は再び外に抜け、また入り、浅いところを繰り返し撫で擦った。そのたびにどうしようもなく息が上がり、春斗は自分の喘ぐ細く高い声を他人のもののように聞いていた。
もしも自分が女の子だったら、葵は抱いてくれただろうか。いやらしく腰を振って貪ってくれただろうか。それで自分の中で、思い切り吐精してくれただろうか。
「……あ、……あっ、あー、あっん……」
「ハル」
呼ばれて、春斗はうっすら目を開けた。
「ハル、気持ちいい?」
顔を覗き込む、目の前の色素の薄い瞳に、光が閃くのを見た。
葵が欲情している。
自分がそうさせたなら、こんなに嬉しいことはなかった。
春斗は、こく、こくと二回頷いた。
「気持ちいい。もっと、して」
「……エロいな、おまえ」
葵の唇が近付いて、目にたまった涙を吸った。
「さっきからずっと、腰くねらしてる。おまえの、こっちもだらだら垂れてるんだけど、触りたくなんないの?」
自身が完勃ちしていることは分かっていたけれど、葵が自分の身体の中に挿入して達することを考えていたからそれどころではなかった。言われて手で前を確認したら、とんでもない有様だった。
恥ずかしくていたたまれない。
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