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「女の子がすごく気持ちよさそうで、あの声を聞いてたらなんか変な感じになっちゃって、俺、立ってられなくて廊下に座り込んじゃって。お母さんに見つかったらやばかったね」
「まだ保育園に通ってる頃でしょ、早くね?」
「しょうがないじゃん。もちろん当時は具体的には何をしてるか分からないよ。でも俺も、あの子みたいに葵さんの上に乗っかって、気持ちよくして欲しいって思ってたんだ」
「ませてんなあ」
まるで他人事のような呆れ声に、春斗は頬をふくらませる。
「葵さんのせいだから」
「俺のせいかなあ」
「そうだよ。今だってすごく、……」
胸が一杯になって言葉を続けられなくなった代わりに、葵の裸の胸にもたれた。
「すごく、なんだよ」
からかいを含んだ声色すら愛おしくて、いっそう身体をすり寄せる。叶うものなら離れたくない。
「あの女の子みたいに、気持ちよくしてほしい」
そんなことは無理だろうと分かっている。だけどもう今日は、昨日の夜以上に色々な秘め事を露わにしたことから感覚が麻痺して口も滑らかになっていた。
葵の胸に頭を預け、上目で顔を伺うと途端に葵が笑い出した。
「やべ、勃った」
言葉につられて視線を下に向けると、下着越しではあるが確かにさっきよりも下腹部が大変なことになっている。
「ほんとだ」
「あーあ、もう少しで治まりそうだったのに。……ばか、触んな」
つい伸ばしてしまった春斗の手は、なんなくつまみ出された。
「だめだわ、お前のその女の子発言。さっきからぐらぐらする。なんだこれ、新しい扉か?」
「え、もう一押ししたら、してもらえたりする?」
「……まだそんなことを。挿れるのは無理だからな」
「……」
黙ってしまった春斗の髪に、ちゅ、と音を立てて葵はキスをしてくる。それが誤魔化すみたいに思えて、きゅっと口を結んだ。
「さっきアナルを触られて、無理だってわかったろ? 俺だっていやだよ、絶対に怪我させるもん。そもそも男同士は色々準備がいるんだよ」
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