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「じゃあさ、じゃあ……」  春斗はきっと顔を上げて、縋るように葵を見つめた。 「俺、してもいい? 葵さんの」 「掘られるのはいやだ」 「え?」  春斗はパチパチと瞬きをして、ようやく意図する所が分かり真っ赤になった。葵を抱きたいという風に誤解されたのだ。 「……違うよ。そういう意味じゃない」  真っ赤な顔を手で隠すようにして俯くのを、葵は面白そうに眺め、笑い声を立てた。 「そんなに照れなくてもいいじゃん」 「うるさいな」  むくれた春斗は手から逃れて身を屈め、下着を押し上げている葵自身に手を触れた。 「訊いたのはそっちじゃなくて、さっきしてくれたこと、俺もやってみていい?」 「さっき? フェラってこと? しなくていいってそんなのは。へんなとこで照れるわりにチャレンジャーだよね」  首をひねる葵に、春斗は「だって最後だし」と口を尖らせた。 「思い出づくりで俺のをくわえるってのも、シュールだよなあ」  葵はしみじみ呟くと、「ま、いっか」と手早く下着を取り去ってベッドの下に落とした。  いきなり現れた成人男性の、しかも臨戦態勢の男性器に目を奪われる。自分のとは明らかに大きさも形も異なっている。思わず唾を飲み、ごくっと喉が鳴ってしまった。 「こっちにおいで」  フェラチオのお許しが出たのかと思ったが、「違う、こっち」と手を引かれた。そして、手をここに、足をこっちに、と具体的な指導が入り、対面座位の体勢にさせられた。  これはかなり恥ずかしい。葵の顔は至近にあるし、目のやり場に困って視線を落とせば二人の屹立した物が飛び込んで来る。当たらないように腰を引けば葵に引き寄せられた。  それになんといっても葵の色気がすごいのだ。
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