11/13

112人が本棚に入れています
本棚に追加
/30ページ
「また照れてる。人の物をくわえようとしたくせに。さっきは胸にすりすりしてたくせに」 「ううー」 「思い出づくりっていうなら、追体験してみる? 子供の時にハルが見たのってこの体勢でしょ?」 「……そう、です」  彼女は揺すられて喘いでいたのだから、葵のこれを膣内に挿れていたのだろうと思う。だとすればもっと密着していたはずだ。実際に自分がやってみると想像以上に恥ずかしい。 「性別が違うし挿れないから再現できないけど、まあこんな感じ。膝突いていいから腰を浮かせられる?」  言われるままに腰を上げると、ふにゅっと尻を揉まれた。「わあ」と慌てて葵にしがみつく。 「そうそう、目つぶって、ぎゅうってしといて」  まるで現実感がない。とても口に出来ないようなエッチな夢をしばしば見るけれど、その延長のようで、さっきからふわふわしている。そのくせ、裸で触れ合っている感触が生々しい。 「……あ」  葵の指が春斗の秘所を探り、潜り込む。縁を擦り、中に入ったと思うと出て行ってしまう。そしてまた入口を弄られる。  指が中に入った時の、怖いようなもっと暴いて欲しいような感覚にぞくぞくし、春斗はしがみつく腕に一層力を入れた。目を閉じて、ほどよく筋肉の張った葵の肩や背中を撫でながら、葵が自分の恋人だったらな、と夢想した。  これまで誰も触ったことのない、自分ですらよく知らない場所が、葵の指によって存在感を増してくる。こじ開けるように擦られているうちに、時々無意識にぴくっとなる場所があって、その自らの反応が恥ずかしくなる。 「……も、やだ」 「じゃあやめようか」  言うなり、本当に指を止めるのが憎らしい。 「やだ」 「どっちだよ」  ふっと可笑しそうに笑ったその息づかいを、首の後ろ辺りの肌で感じ、本当に抱き合っているんだと実感した。 「あ、ああっ……」  再び中に入り込んだ指が、さっきよりも深いところを刺激して思わず春斗は声を上げた。
/30ページ

最初のコメントを投稿しよう!

112人が本棚に入れています
本棚に追加