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「また照れてる。人の物をくわえようとしたくせに。さっきは胸にすりすりしてたくせに」
「ううー」
「思い出づくりっていうなら、追体験してみる? 子供の時にハルが見たのってこの体勢でしょ?」
「……そう、です」
彼女は揺すられて喘いでいたのだから、葵のこれを膣内に挿れていたのだろうと思う。だとすればもっと密着していたはずだ。実際に自分がやってみると想像以上に恥ずかしい。
「性別が違うし挿れないから再現できないけど、まあこんな感じ。膝突いていいから腰を浮かせられる?」
言われるままに腰を上げると、ふにゅっと尻を揉まれた。「わあ」と慌てて葵にしがみつく。
「そうそう、目つぶって、ぎゅうってしといて」
まるで現実感がない。とても口に出来ないようなエッチな夢をしばしば見るけれど、その延長のようで、さっきからふわふわしている。そのくせ、裸で触れ合っている感触が生々しい。
「……あ」
葵の指が春斗の秘所を探り、潜り込む。縁を擦り、中に入ったと思うと出て行ってしまう。そしてまた入口を弄られる。
指が中に入った時の、怖いようなもっと暴いて欲しいような感覚にぞくぞくし、春斗はしがみつく腕に一層力を入れた。目を閉じて、ほどよく筋肉の張った葵の肩や背中を撫でながら、葵が自分の恋人だったらな、と夢想した。
これまで誰も触ったことのない、自分ですらよく知らない場所が、葵の指によって存在感を増してくる。こじ開けるように擦られているうちに、時々無意識にぴくっとなる場所があって、その自らの反応が恥ずかしくなる。
「……も、やだ」
「じゃあやめようか」
言うなり、本当に指を止めるのが憎らしい。
「やだ」
「どっちだよ」
ふっと可笑しそうに笑ったその息づかいを、首の後ろ辺りの肌で感じ、本当に抱き合っているんだと実感した。
「あ、ああっ……」
再び中に入り込んだ指が、さっきよりも深いところを刺激して思わず春斗は声を上げた。
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