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「気持ちよくなってきた?」 「……よく、わかんな……」  変に息が上がり、唾液が喉に絡む。こんなのはいやだと平静を装わんとすれば、突然前を握り込まれて悲鳴を上げそうになった。  涙腺が緩み、はあはあと荒れた息を吐きながら見下ろせば、葵の大きな手が二人の男性器をまとめて握り、やわやわと揉みしだいていた。前と後ろからもたらされる刺激に、身体の中を甘い電流が走り抜け、春斗の喉奥からはひっきりなしに小さい喘ぎが漏れ出ている。  どうしよう、と思った。  葵は顔やスタイルだけでなく性器ですら形がよくて恰好いいのに、葵の手の中で合わさっている自分の物はいかにも貧相で、そのくせ先走りで濡れまくり、暴発寸前でびくびくしていた。  このままだともう、またすぐに溢れてしまう。さっき葵の口を冒したばかりなのに。 「……ね、は、離し、」 「んー?」 「俺の、で……、葵さ、が汚れ……」  自分の汚いものでまた葵を汚すなんて耐えられない。  ただそれだけを伝えるのに言葉にならないことに焦れて、春斗は腰を引こうとした。 「ああっ」  体内を犯す指が一度抜けて、また入り込む。生理的に排出しようとする身体に抗うように、ぬちっと音を立てて飲み込まされた。 「あ、あ、」 「……二本はいった」  這うような葵の声が耳を嬲る。春斗は為す術もなく息を弾ませた。  考えている事とは裏腹に、指二本が入ったことと、葵が二本目を入れてくれたことに悦びを感じてしまう。春斗は汗ばんだ手のひらで、葵の腕に縋りついた。
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