残念賞

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残念賞

弟の評価はもう世界レベルなのに、それでも毎年存在価値をあげていく。 その頃、俺はもう勝てないどころかレースにすらならないほど大敗をきす様になり引退の話が出始める。 仕方ない、乗馬でも肉でも何でもしてくれ。 俺は覚悟を決めた。 それから間もなくして俺の引退が決まった。 結局、ケガから復帰して以降一度も勝てなかった。 さあ、どうなるやら。 覚悟を決めた俺に放たれた一言。 「これからは種馬として頑張ってくれ」 え?俺が? 昨今はG1を勝っても種馬になれない者がいるくらい種馬は充分足りている。 なのにG1を勝っていない俺が種馬⁉ だが俺はすぐに状況を理解した。 弟の種の価値があまりにも高騰してしまい、手が出せない価格になっていた。 弟の種は高すぎて買えない、もしくは弟の種を手に入れられなかった者たちの為に俺は用意されたのだ。 「ディープインパクトの全兄」※全兄・・・父親も母親も同じという意味。 それが俺の存在価値。 ちなみに俺の種は80万円、弟の50分の1。 ディープインパクトの残念賞とばかりに俺は1年目から大人気になり、多くの牝馬と交配した。
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