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ランダム四題。
全ての始まりの日、貴方の視線は遥か彼方を向いていた。これから起こり得る未来を見透かす眼が冷え切っていたのを覚えている。
産声を上げた感情は平らに均した心を踏み荒らし、凪いだ声を震わせる。激情にも満たぬそれはひたすらに幼く、私は夜ごと悲嘆に暮れる。
移ろう日々の中でひとつ確かなものは、私の中に根を張り、養分を吸って少しずつ大きくなる。それから目を背けた先に写るのは、いつかの絶望。
全ての終わりの日、貴方は笑っていた。悲痛な叫びを上げたその喉で、口で、声で、呵呵と笑いむこうへ落ちていった。あゝ、今日は星が綺麗だ。
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