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 これからは、彼女の相談を聞いてあげる立場になれるといいけど、いかんせん経験値の差がありすぎる。  木下さんは、お断りする前にどうやら何か感じたのか、妹さん経由なのか、あからさまに接し方が変わった。  なんというか、そっけない、目を合わせない。  この人がここまでなのは、ちょっとショックで、ますます言い出せなくなってしまった。  そうこうするうちに、結婚が決まってしまい、お兄ちゃんの事務所へ行ったときに切り出されてしまったみたい。  まさか、お兄ちゃんも私がまだ言ってないとは知らず、かなり焦ったみたい。  勇み足もいいとこだよ。  とはいえ、私は楽になった。  聞かれたことに答えて謝り倒すしか道は無くなった。  今日は、その木下さんとのランチ。  お酒抜きだから、昼にした。木下さんの希望で。  酒入るとろくなこと言わないからと……。 「公園で会った時、殺気がすごくてね。一瞬で理解したよ」 「私は驚きました。フラれたと思って泣いたくらいですから」 「あの日、目が腫れてたのはそのせいだったんだね。素子から、少し聞いたよ。あいつも、本当タイミング悪い。兄弟揃ってとか、笑えるよ」
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