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時間は刻一刻と迫る。滝口は壁の時計を眺め、高らかに宣言した。
「さあそれでは時間いっぱいです。ザ・ラストオーダー!」
どこからともなく緊迫感のある音楽が流れ、店員4人と男にスポットライトが当てられる。店員は皆、手を組んで祈るように成り行きを見守る。
その中で男はじっとメニューを睨みつける。そしてついに、声を上げた。
「……ハンバーグ!!」
「『ザ・ラストオーダー』?」
「え?」
「お客様、『ザ・ラストオーダー』?」
「……ざ、『ザ・ラストオーダー』!」
しばしの沈黙が流れる。尋ねた店員は自ら手を叩いて狂喜した。
「いよっしゃあああああ!!」
「ずるいって! そりゃそうだよ、一番最後にふさわしい奴じゃん! 全部持ってったよ。こんなに店員並んでて……あーあー、泣かないで! ごめんねー、厨房に立ったばかりのキミ!」
選ばれなかった店員たちは沈み切った様子で厨房へと引き返していく。勝ち誇った表情の滝口が話しかける。
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