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医師は、煙草をくわえたまま男に近づいた。
「背中を見せなさい」
男は、言う通りに医師に背中を見せた。
「なんだね、これは・・・」
男の背中には白い翼が、正確には無残な翼の遺残物が付いていた。
「自分でやったのか?」
医師は尋ねた。
男は答えなかった。
アッバースは、翼の断端を引っ張り、肩甲骨や肩を触診した。
男を振り向かせると、シャツを手渡した。
ムッとする煙草の匂いがした。
「どうやった?」
「剪定鋏で・・・」
「無麻酔でか?」
「ええ、もちろん」
「なんてこった」
医師は顔をしかめ、首を振った。
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