自由時間

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やはり、神田の説明は支離滅裂である。 起承転結ではなく、承結転結起承結転。 神田の話はとても聞いていられないので、警官に要点をまとめてもらった。 要するにこういう事だ。 神田が三歳の頃の事である。 ちなみに、神田のイントネーションがおかしいせいで、話の後半まで「三歳」を「山菜」だと勘違いしていた。 神田の原文を引用すると、 「僕が山菜のときね!ハルトがね、ボールでね!一緒に遊ぶんだよって!」 話を戻そう。 公園でよく一緒に遊んでいた「ハルト」という友達がいたらしい。 ちなみに、神田はずっと、ハム園ハム園言っていた。だが、そんな事を理解できないようでは警察官は務まらない。 そして、そのハルトとボール遊びをしていたある日の事。 神田曰く、トラックがボールのところに飛び出したらしい。 常識的に考えると、ボールが道路に飛び出したのだろう。しかし、たまにトラックが公園に突っ込むこともある。 まぁ、何かしらの事故があったのだろう。 そして、ボールを回収しようとしたハルトがミンチ……ではなく、トラックに轢かれた。 それを見てしまった神田は、とてもショックを受けたようだ。 そして、ここからがよく分からない。 ミンチになってしまったハルトを見た神田は、彼に対しての恋心を自覚する。 そういうサイコパス的な性癖なのだろうか。 ……普段の神田を見た感じ、そうでも無さそうだが。どちらかと言うと、Mっ気が……。 で、色々あって(この色々の部分を神田は30分くらい熱弁していた)、グレて、成人してもこのザマだ。 なるほど、納得した。
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