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円周率を、おそらく1万桁は言ったであろうとき、彼の目は見開かれる。
「そうか、分かったぞ!!!泥だんごの強度を一番強くするには、右手の親指に31・4588gの力をかけて……」
さすが、スパコンを超える計算能力の持ち主だ。
彼の手の中には、素敵な泥だんごが形成され始めていた。
その間、ほか三名はいったい何をしているのだろうか。
「つまんなーいよぉ~~」
叫ぶ金田(ホモ04)。
「それなぁぁぁ」
呼応する牛田(ホモ03)。
彼らは退屈していた。
一心に円周率を唱え続け、泥だんごを手で転がす神田を見ながら、彼らはため息をついた。
その時、牛田が気づいた。
「あ、ホモ04!!見て見て~~!!!木の枝が落ちてる!」
牛田が拾い上げたのは、4本の太めの木の枝。
そう、例えるならば……
太鼓の撥。
ちょうどそれくらいの大きさであった。
金田が枝を受け取り、ついている小さな枝を取り除く。
牛田が目を輝かせて、それを見ている。
「俺、これで遊びたい!!」
その途端、金田の表情が固まる。
「おいバカ!!お前はホモ03だろう!!」
しかし、時すでに遅し。
二人の頭に、金属製のバケツがクリーンヒットする。
もぐらたたきのように天井から顔をのぞかせた警官が二人をにらむ。
「連帯責任だ。」
そして、警官の頭が引っ込んだ。
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