自由時間

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「「イケメン……♡」」 二人は数秒間目をハートにしていたが、すぐに枝(以下、撥)をつかんだ。 彼らの前には、二つのバケツ。 さぁ、彼らが何をするのか、予想がついたであろう。 「はぁ~~~~!よっ、はっ!!!」 声をそろえて撥を振り上げる金田と牛田。 がーーーーん!!! お世辞にも美しいとは言えない音を立てて、バケツが振動する。 牛田が首を振りながら音痴な声で歌い出す。 「We are genius badminton teachers. Cut down those who stand in your way! There are no demons in the world! No enemies around us! The best and strongest badminton teacher!」 それには、独特なこぶしがついていた。 金田も歌い出す。 「我们是天才羽毛球老师。 砍掉挡路的人! 世界上没有恶魔! 我们周围没有敌人! 最好最强的羽毛球老师!」 二人とも、大変流暢な発音である。 それもそのはず、彼らは、収容所に強制送還されるまでは、英語教師と中国語教師をやっていたのだ。 ちなみに、これらの歌を翻訳すると、だいたいこのような意味になる。 『私たちは天才バドミントン教師。 邪魔する奴は斬れ! この世界に悪魔はいない! 私たちの周りに敵はいない! 最高で最強のバドミントン教師!』 なんとも痛い歌である………。
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