第二章 -ソウル-

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柚麒「Q1:君の名前は?」   少女『A1:西尾雲々虎(にしおももこ)です』 柚麒「モモコ……モモコお嬢さんか。うん、良い名だね」 柚麒「Q2:年齢は?」 雲々虎『A2:14歳です』 柚麒「へー、俺と4個も違うのか。大人びて見えるし、てっきりもっと上かと」   柚麒「Q3:家族構成は?」   雲々虎『A3:父も母も死にました。今は私だけです』 柚麒「ふむふむ……、ね」 柚麒「Q4:出身は?」 雲々虎『A4:《村》です』   柚麒「うーん……ざっくりしすぎだなあ」 柚麒「Q5:『村』の正式名称は?」 雲々虎『A5:分かりません。どこにあるのかも不明です。何しろ《教祖》の指示によって、重要な情報は伏せられていたもので』   柚麒「『教祖』……気になるフレーズだなあ」   柚麒「Q6:『村』には独自の宗教が根付いていたりする?」 雲々虎『A6:はい。世界の王がどうとか、統一言語がどうとか、トンチンカンな教義を掲げています。《村》の外にでるのも禁忌だから、息苦しくて仕方がありませんでした』 柚麒「うおお……いかにもカルトって雰囲気がするね」 柚麒「Q7:そんな得体の知れない『村』から、どうやって逃げてきたの?」 雲々虎『A7:《一つ目の異人》がくれた切符を使って、黒い列車を呼んだんです。明け方に故郷を脱出して、昼にはこの町へ辿り着いていました』 柚麒「あー、『魍魎(クハシヤ)急行』か。確かにあれに乗れば、日本中どこからでも『西浪市』を目指せる。師匠も粋な計らいをしてくれるね……あ、これも聞いておかないと」 柚麒「Q8:どういう経緯で師匠と出会ったの?」 雲々虎『A8:年が明ける直前、あの大男は扉の影から飛び出してきました。見事なピストル捌きで鉄格子を破壊し、私を地下室から連れ出してくれました』 柚麒「ははあ、実にあの人らしい……ん? に……? ……えーっと、だね」 柚麒「Q9:もしかして君、相当酷い目に遭わされてた?」 雲々虎「……」 柚麒「……OK、書かなくて結構。無神経な質問をしちゃって悪いね。そもそも師匠が出張ってる時点で、何かあるのは明らかなのにさ。……よし、趣向を変えよう」 柚麒「Q10:好きな食べ物は?」 雲々虎『A10:特にありません』 柚麒「Q11:好きな本は?」 雲々虎『A11:特にありません』 柚麒「Q12:君の能力ってどんなの?」 雲々虎『A12:口にした言葉が現実になる呪いです。それも決まって、使用者に都合の悪い形で』 柚麒「Q13:さっき生えてきた木も、君の能力で具現化されたもの?」 雲々虎『A13:はい。《ハ》という言葉に反応して、人体に害をなす《()》が生まれたのです』 柚麒「Q14:人を殺したことはある?」 雲々虎『A14:はい』 柚麒「Q15:誰を殺したの?」 雲々虎「……」 柚麒「……大丈夫、責めるつもりはないよ。さっき約束したばかりだろう? 君の一切を許すって。……さて、次が最後の質問だ」 柚麒「Q16:君は誰? 怪異? 人間?」 雲々虎『A16:と思っています』
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