街で出会った女

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街で出会った女

妹と連れ添い街を歩いた。 「街の風景を見ていたら、何か思い出すかも知れない。それと、お兄ちゃんを知っている人と出会うかも知れない。」と、 妹が言うのである。 …ここが、私が以前住んでいた街か…と、何とか思い出そうとしていたが、思い出せない。 犬を散歩させている女性を見かけた。 何犬だろう?何故か女性に目がいかず、犬の方に目が行った。 女性が、太った不美人だから興味が無いのか、解らないが僕は犬の方に興味を持った。 「可愛い犬ですね。何という種類の犬ですか?」 と、太った女性に聞いてみた。 「私、散歩に頼まれただけなので、犬の種類まで知らないの。 でも、可愛いでしょ。彼が飼っているの。」 と犬を、抱き上げて僕に見せてくれた。 犬は、僕の事を、ジーーと見つめながら、何か言った。 甘えた様に、擦り付いてくる。何故? 「名前は何というのですか?」 「あのーー、私の名前でしょうか?それとも、此の犬の名前?」 …もちろん犬の名前を聞いたのだが、どうしよう。女性の名前聞かないと失礼になるのだろうか?… と、思っていた時に助け船が出た。 「もちろん、此のワンちゃんの名前ですよ。」と、妹が言ってくれた。 「此の犬の、名前は、カルメンです。彼が名付けました。」 と、女は彼氏が居るのを、強調しているみたいだ。 カルメンは、僕を見ている。知っているかの様にジーーと見てる。 僕は犬好きだったのかも知れない。 犬に見つめらていても、苦にならない。 女性はカルメンを抱いたまま、去って行った。 僕は、カルメンと別れた印象が強く残った。不思議だと思った。 もしかすると、僕は犬を飼って居たのかも知れない。 だが、あの部屋には、犬を飼った痕跡が無い。 そんな事を考えながら、道を歩いて行くと、、、、。 突然、呼び止められる様に声をかけられた。 見ると、三十ぐらいの女性で、まあまあの美人さんである。 さっきの女性とは大違い。 「水原君じゃない?。お久しぶり。デート❤️してるの」 と、馴れ馴れしく聞いてくる。 …結構な知り合いだろうか?でも僕の彼女では無さそう。… 妹を知らないみたいだ。 ここはチャンスだ。僕の事が分かるかも知れない。 (妹が偽物か本物かどうかが判るかも知れない)と、瞬時に感じた。 「私、ケイコと言います。水原の妹です。彼女ではありません」 と、キッパリと否定ている姿に、妹の焦り僕は感じた。 「あら、水原君。可愛い妹さん居るのね。そんな事は聞いていなかったけど」 少し疑いながら、嫉妬深く言った。様に、僕には聞こえた。 すると妹が、 「兄は、事故に遭い記憶を無くしてしまったのです。 兄の事で知っている事が有れば、教えていただけませんか? お願いします」 僕の事を思ってくれたのか? 本当の妹の様に彼女に尋ねている。 私は一体、誰⁉️ 妹の正体は?
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