自分の事を知る嬉しさ

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自分の事を知る嬉しさ

大林さんが私に話してくれた事を、まとめると 私は、現在26歳。大学時代将棋が強かった。 彼女はいない。大林さんとは、かなり親しい友人。 「水原は、大学生の頃から成績も優秀であった。 名前は覚えていないが、上顎と下顎の噛み合わせも悪い教授と 何か研究をしているみたいで、いつも忙しいそうだった。 将棋の大会の急用も、おそらく教授の要件だったのであろう。 水原の部屋には行った事がないが、僕の部屋で一緒に飲んだ事もある。 水原は酒が弱かった。何を研究しているのかは、水原は言ってくれなかったし、僕も聞いてはいない。」 私は聞いた。 「僕の現在の職業は何か知っていませんか?」 大林さんは、 「職業は知らないが、その教授と一緒に研究しているのではないかな」 と答えてくれた。 曖昧な答えであるが、有力な情報である。 その教授を見つければ、全てが解決すると強く感じた。 だが、大林さんもその教授の事は全く知らない。 その教授は、「大学でも変人教授と噂され、生徒からも人気が無く 授業を受けても、何を言っているのか分からない。 大学でもお荷物教授と言われていた」と言う事だった。 何故、僕がその教授に認めてもらったのか? また、僕がその教授と何を一緒に研究しているのか? 大林さんはいつも疑問に思っていたと言ってくれた。 私は明日その大学に行き、その教授に会いにいく事を決めた。 大林さんも一緒に会いにいく、と言ってくれた。 持つべきは、親友だ。 信じられると言う事がこれ程有難いものだ と強く実感した日だった。 明日の10時にこの店で待ち合わせることを決めた。 私は水原学、26歳。独身彼女無し。親友あり ここまでは、分かった。
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