高嶺司の秘密

4/5
前へ
/13ページ
次へ
「そもそも、司がその性癖に目覚めたきっかけは?」 「それ聞く?」 俺は圭に問いかけた。 「聞く。興味あるもん。」 「中三の時、大学生の家庭教師に抱かれた。」 「まぁ!初耳。」 圭は大袈裟に驚く素振りを見せた。 「もちろん相手は...」 「男。」 その頃の俺は、可愛らしいがぴったりの男子中学生だった。 だから、俺が受けになることは必然だった。 なのに、だ。 成長とともに、身長はみるみる伸び、気がつけば180センチを超えるモデル体型となり、顔つきは俳優並の男前になってしまった。 今の俺に可愛らしさという言葉は無縁だ。 それ故、俺は見た目と性癖とのギャップに悩まされることとなった。 厄介なことに俺はプライドも高い。 自分から、相手に俺は受けだから抱いて欲しいなど口が裂けても言えない。 結局、昨日も抱かれるどころか、俺が抱くことになったという訳だ。
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!

34人が本棚に入れています
本棚に追加