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「そもそも、司がその性癖に目覚めたきっかけは?」
「それ聞く?」
俺は圭に問いかけた。
「聞く。興味あるもん。」
「中三の時、大学生の家庭教師に抱かれた。」
「まぁ!初耳。」
圭は大袈裟に驚く素振りを見せた。
「もちろん相手は...」
「男。」
その頃の俺は、可愛らしいがぴったりの男子中学生だった。
だから、俺が受けになることは必然だった。
なのに、だ。
成長とともに、身長はみるみる伸び、気がつけば180センチを超えるモデル体型となり、顔つきは俳優並の男前になってしまった。
今の俺に可愛らしさという言葉は無縁だ。
それ故、俺は見た目と性癖とのギャップに悩まされることとなった。
厄介なことに俺はプライドも高い。
自分から、相手に俺は受けだから抱いて欲しいなど口が裂けても言えない。
結局、昨日も抱かれるどころか、俺が抱くことになったという訳だ。
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