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「見た目と違うと思われるのが怖い。」
「その気持ち分からないでもないけど。自分をさらけ出した方が楽よ。」
「圭に言われると説得力あるな。」
「でしょ。」
俺は、煙草に火をつけた。
「あら?また吸い始めたの?」
「うん。ストレスかな?」
「それは身体に悪いわね。あ、いい事思いついた。」
そういうと、圭はカラオケで使うマイクを俺に手渡した。
「今日は特別!!貸切にしてあげる。」
「貸切?」
「そう、だからここで言いたいこと叫んじゃえ。大丈夫、防音だから。」
俺はマイクを持ち、席から立ち上がった。
そして、1度、深呼吸をする。
自分の秘密を曝露することはとても勇気がいる。
例え、親しい間柄でも。
「人は見た目じゃねぇー!!俺は男に抱かれたいんだー!!ありのままの俺を受け入れてくれー!!」
パチパチパチ
拍手をしたのは、圭だった。
「司の告白。私が証人になったから。」
「なんだそれ。笑」
「どう?今の気分は?」
「なんだろ?俺ってこう思ってたんだなと。」
「新たな自分を知った感じ?」
「そうかも。」
「ありのままの司を受け入れてくれる人と出会えるといいわね。」
圭は俺に微笑みかけた。
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