リグレット・レター

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おまけに兄は、世間一般で「イケメン」と呼ばれる顔立ちでした。学校では密かにファンクラブも作られていて、何人もの女の子が告白していて……。 私に話しかけてくる女の子は、ほとんどが兄に近付きたい女の子ばかりでした。兄を紹介してほしい、このラブレターを渡してほしい、兄の好きな食べ物などを教えてほしい、そればっかり。だから、私には友達と呼べる存在も皆無なんですよ。 そんな私は高校を卒業した後、仙台の大学に進学しました。仙台、行ったことありますか?とても素敵な街なんですよ。杜の都なんて呼ばれていて……!その街で、私は彼とーーー佐倉研二くんと出会いました。 初めての講義の時、私が落としたペンを研二くんが拾ってくれたんです。タレ目が可愛くて、でも背が高くてかっこよくて、サークルが一緒になったのをきっかけに、一気に仲良くなって告白したんです。両想いだってわかった時、すごく嬉しかった……。 親に大切にされてこなかったから、研二くんの優しさにいつも泣きたいくらい幸せを感じていました。彼との思い出は、今でもずっと覚えています。 初デートに訪れたのは、青葉城跡でした。あの日は春先で少し肌寒かったんです。そしたら、研二くんが上着を貸してくれました。 七夕祭りも一緒に行ったことがあります。別世界に迷い込んだみたいで、本当に綺麗でした。研二くんが「はぐれないように」ってずっと手を繋いでいてくれて……。
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