ドリームスカイ

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ドリームスカイ

 叶太が楽しく、空を飛びまわっていると、だれかに手を引っぱられました。「ムーン。」「ちょっと来て、話したいことがあるんだ。」ムーンはそう言うと、スウィートの家に行きました。中に入ると、スカイオーナーが目の前にいました。「わ!」叶太がおどろいたのを見たスカイオーナーは、「はっはっは。」と笑いました。そして、「君はおもしろい。ムーンが君のところへ行ったとき、私は空から見ていたんだがね、羽を作り続けて、本物の羽にも興味しんしん!そんな子は初めてだよ。実は、ムーンには才能があってね、とってもたよりになるんだ。おもしろい君と、才能のあるムーンは、どこに行くときもいっしょにな、二人なら、きっと助け合える。」「はい。」叶太とムーンは、うれしそうに返事をしました。「それと、もう一つ。君の仮名はスカイだ。」「スカイか、ぼく、空大好き、ありがとうございます。」  「それだけだ。では、スカイ。ムーンともみんなとも仲良くな。」「分かってます。」叶太が元気に返事をすると、ムーンがうでを引っぱって、さっさと外へ出てしまいました。叶太はびっくりして、ムーンに聞きました。「どうしたの?」「ぼくも、話したいことがあるの。」ムーンは答えると、裏庭へ行きました。「どうして、こんな所に来るの?」「他の人には、あまり聞かれたくないからさ。」「そんな話なの?」ムーンはうなずくと、話し始めました。「ぼくも、叶太と会って、スウィートが言ったように思った。君となら、他の人達より、仲良く、助け合えるって。」ムーンはズボンのポッケから、何かを出しました。「はい、これ。特別に仲良しな証。それと、もう翼って呼んでいいよ。」「うん、ありがとう。ぼくからも、聞きたいことがあるんだ。」「何だい?」「関係ないけど、スカイオーナーは、弟子のことを名前で呼ばないの?みんな、翼みたいに、スカイオーナーをスウィートって呼んでるの?」「スカイオーナーが、ぼく達のことを名前で呼ばないのは、なぜか分からないけど、スウィートって呼ぶのは、一番弟子のぼくだけだよ。」「そうなんだ。」「うん、そろそろお別れだよ。夕方だし。じゃあね、ぼくがわたしたペンダント、最高のパートナーの証だよ!また遊びに来てね。」「うん、今日はありがとう、じゃあね。」  叶太には、二つの世界ができました。つまらない、地上の世界、楽しくて、翼がいる、空の世界。もちろん、叶太は、空の世界を選びます。だから、いつも、いつも、空に向かって、はばたくのでした。               おしまい
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