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告白しよう、と、唐突に思い至った。
もうこれ以上、この想いを胸に秘めていることが出来ない。限界だ。
彼女のしなやかな身体が、やわらかい動きを見せるたび。
彼女の金の瞳が、僕に向けられるたび。
彼女の漆黒の毛並が、その身体に沿って美しくうねるたび。
僕の鼓動は、早鐘のようになる。
彼女が、そのしなやかな身体を僕以外の誰かに預けるたび。
彼女のあの瞳が、僕以外を捉えて離さないのを見付けるたび。
彼女の美しい黒い毛並、やわらかなそれを僕以外が撫でるたび。
その度毎に、僕は嫉妬で狂いそうになる。
ああ、もう駄目だ。僕のもとに来て欲しい。
僕の黒の女王。
「愛しているんだ。あなたを。だから、どうか…」
嫉妬に狂った僕が、あなたを手にかけてしまう前に。
首輪を着けてしまいたい。僕の愛の証である、この深紅の首輪を。
『にゃあ ーん』
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