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伊藤と交流するうちに仕事もプライベートも真面目を絵に描いたような男性だということがわかった。真面目過ぎて面白みが欠ける所は気になった。
伊藤が浮気したとは信じられないと思った。容姿は確かに女が惹かれるタイプだけど、隙を見せない男を好きになる女はいるだろうか。
伊藤が軽い男なのかどうなのかもわからないうちに、デートをする約束が簡単にできた。デートとはいってもまだ手も触れてない状態だ。告白もされてない。
私の容姿と話術で伊藤を性的な行動に耐えられないようにしてやろう。私に手を出そうとした時に川村を呼ぶことにしよう。
それで浮気の件は片付くとして素行調査が終わってない。私は川村に連絡した。
「川村様。伊藤さんの依頼のことで電話を致しましたが、ほぼ調査は終わりました。近日中にご報告できると思います」
「あなたに依頼して良かったわ。どうもありがとう」
「ですが一つ気になることがありまして、伊藤さんが週に一度、辺境の家屋を訪ねているみたいです。でもそこで何をしているかは調べられなくて。ですが浮気調査の方はもう決着が着きそうです。まだ素行調査を続けますか?」
しばらく川村から音が聞こえなくなった。私は浮気調査が済めばそれでいいと言われると思っていた。
「その辺境の家屋を調べてください。そこに浮気相手がいると思います。それとその場所に行く時は私に必ず知らせてください」
「わかりました。場所と時間をメールで送らせて頂きます」
私は家屋に何かの秘密があると思っていたけど、川村が気になるとは予想できなかった。辺境の家屋に浮気相手が本当にいるのだろうか。
それから私は伊藤に連絡を取り喫茶店に行きたいと話した。そこは辺境の家屋の近くの喫茶店で適当に待ち合わせ場所にしただけだった。伊藤はすんなり話を受け入れてくれて週末の日曜日に会うことになった。
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