17人が本棚に入れています
本棚に追加
/12ページ
何かのスイッチが入ったのか、夫は再び欲情し、私に覆いかぶさる。
それは、さきほどのそれよりもさらに激しく、荒々しい。
夫は最中、首や肩に噛り付いたりもした。
痛みと快楽が入り交じる。
獣に犯されているような、そんなセックス。
それは、いまだかつてないくらい、興奮するものだった。
「俺、北村先生に抱かれてる…歩夢を…想像したら…すっごい…嫉妬した」
ハアハアと息があがったまま、夫が口を開く。
「うん、ごめん…妄想とはいえ、浮気だよね…もうしないよ…」
私は間髪入れずにそう言った。
「いや…俺さ…嫉妬したんだけど…」
夫は、躊躇って少し黙る。
「他の男にやられる歩夢を想像して興奮したんだ。今までないってくらい…」
夫はギラギラとした目で、私を見つめる。
その目を見た時、私は、夫の秘密の扉が開かれてしまったことに気付いてしまった。
背筋が凍り付く。
私が何も言えないでいると、夫は私の額にそっと優しく唇を寄せて「オヤスミ」と言って眠りについた。
私は、ヒリヒリと痛む肩や首筋を撫でながら、私の知らない男の寝顔をしばらく眺めて眠りに落ちた。
最初のコメントを投稿しよう!