最後の恋

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「よしさん?」 と聞かれたので、 「そう。ウォニョンちゃん?」 と聞くと、 「はい、そうです」 とウォニョンは笑顔で答え、 「ごめんなさい。さっきまで暇だったのに急にお客さんがたくさん来た」 と言ったので、 「いいんだよ。俺はこれで帰るから仕事がんばって」 と言って、小さく手を振って店の外に出る。 「よしさん、せっかく来てくれたのに」 とウォニョンが、外に出てきて言ったので、 「顔見れてよかったよ。ほら、早く戻って」 と寂しそうなウォニョンの顔を見て言うと、 「分かりました。来てくれてありがとう。またメールします」 と言って、店内に入っていった。 車に向かって歩いていると寂しい気はしたが、 (あんなかわいい子だったんだ) と俺はうれしくなった。 (今度はゆっくり会いたいな) という気持ちはあったが、年末年始になり、 お互い忙しくなってしまった。 でもメールのやりとりは以前のようにしていた。 徐々に寒さも和らいできて、梅の花が咲く頃、 「今度よかったら食事に行かない?」 とメールしてみると、 「うん。行きます。いつにしますか?」 と返事がきたので、 「今週の土、日はどう?」 と送ると、 「土曜にします」 と返事がきたので、 「分かりました」 とメールを送り終えると、 (早く土曜にならないかな) とまだ月曜日なのにそわそわしてしまった。
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