最後の恋

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助手席に座ると芳香剤のいい香りがし、ウォニョンがエンジンをかけると俺の好きなグループの音楽が流れた。 「よしさん、好きだから」 とウォニョンは笑顔で言って、車を発進させた。 「ウォニョンちゃんは、なんでそんなに日本語上手なの?」 と以前から疑問に思っていたことを聞いてみると、 「昔から日本の漫画が好きで読んでいたの。それに憧れの日本に3年いるからね」 とウォニョンは、俺の方を見て言った。 あまりにも笑顔がかわいいので、俺はウォニョンをまともに見れなかった。 ドラマの話を色々としていると、 「ここ」 とウォニョンは言って、車を駐車場に停める。 店内に入り、席につくと、 「日本に来た最初の日に来たお店なの」 と言って、ウォニョンはメニューを広げる。 「おすすめは?」 と俺もメニューを広げて聞くと、 「なんでもおいしいよ」 とウォニョンが笑顔で答えたので、 「じゃあ、お任せするよ」 と俺は、メニューを閉じて言った。 次々と運ばれてくる料理は、どれもおいしかった。 1つ1つウォニョンが、 「これは何が入っている」 と色々説明してくれ、取り皿に取ってくれる。 そういう姿を見ていると、 (俺は、ウォニョンのことを好きなんだ) ということに気づいた。 ただ、俺は結婚しているからいけないことだと分かっているけど、徐々にその気持ちを抑えられなくなった。 ショッピングセンターに戻り、色々店を見てまわると、 (こんなかわいい子といるんだぞ) と周りに自慢したくなる。 車に戻ってきた時には、ウォニョンへの思いが抑えられなくなった。 「今日はありがとう。じゃあ、またね」 とウォニョンが言った時、 「ウォニョンちゃん」 と俺は、目の前に立っているウォニョンの顔を見て、
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