最後の年賀状

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すぐに既読がついた。しかし、そこから5分経っても10分経っても返事がない。ためしに通話ボタンを押してみたところ秒でつながり、物音とともに間違えてボタン押しちゃったとか何とか言っている声が聞こえた。 「突然ごめんね。もしかしてごはん食べてた?今少し時間あるかな?」 「えっと、大丈夫だよ。ドラマ見てたとこ。」 「今日めちゃくちゃ寒かったね。これから雪降るって言うし。」 「ね、明日出勤できるかなぁ。」 「都心でも何センチか積もりそうだってね。明日は朝早く家を出なくちゃ。」 「りっちゃん、真面目だねぇ。私は雪を理由に堂々と遅刻するつもりだけど。」 「意外と交通機関に影響出ないかもよ。 ところで、先月会ったときに年末年始は忙しいって言ってたでしょ。体調崩したりしてない?」 少しの間があった。 「ああ、元気だよ。この時期忙しいのは慣れてるんだ。それより実家の猫、りっちゃん覚えてる?チャチャ丸。あの子がもう高齢だから心配で……。」 「じゃあ、今日家に届いた喪中はがきは何だったーー。」 「わー!ごめんなさい!」 ガタッという音がして、麻里奈の声が遠ざかった。
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