最後の年賀状

「いや、だからって自分を死んだことにしなくてもいいでしょ。」

「もうこれっきり、絶対最後にしたくて。」

「極端だなぁ。」

あの喪中はがきを受け取った友人たちは、今頃困惑していることだろう。

「今『年賀状仕舞い』というのがあるらしいよ。年賀状に、来年以降は送るのを控えさせていただきますと書いて送るんだって。それで十分だったんじゃない？」

「それは……確かに。どうしよう、すごく恥ずかしくなってきた。」

「誤魔化せば？お酒に酔った勢いで送っちゃいましたとか。」

「それ、よく事件を起こした犯人の言い訳になるやつ。」

「これはもう事件でしょ。喪中はがき誤爆事件。」

「うう……。」