最後の年賀状

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「でもさ……りっちゃんも結婚したり子どもが生まれたりしたら、変わっちゃうんじゃない?」 すねたような、しょぼくれたような口調だった。私は間髪を入れずに応えた。 「大丈夫。何があっても、私は死ぬまでブッサイクな干支の年賀状送ってあげるから。」 「何その宣言、変なの。」 スマホからケラケラと笑い声が聞こえる。 窓の外、すっかり暗くなった空には、白い雪が舞い始めていた。
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