この街で

6

「なに遠慮してんだよ、出しちまえよ」
　シュウのモノをねっとりと舐め上げながら、ケン。次の瞬間、びくりと身体を震わせてシュウは吐情した。ケンはそれをいったん口で受けると、シュウの脚をあられもなく開かせて最奥を濡らすようにとろりと吐き出す。
「指がいいんだもんな」
「んんっ、ああっ……」
　ケンはシュウの表情を見ようと身体を起こし、吐き出した白でシュウのそこをほぐしていく。
「顔見せろって」
　恥ずかしさに顔を隠すのを、ケンに片手であっさりとのけられてしまう。ケンは誰よりも、シュウの身体を知っている。その指は的確にシュウの感じる場所を刺激してくる。
「……ケン、入れて……。俺またイキそう……」
　シュウのせつないささやきに、ケンはうれしそうに笑った。
「お前も、いつもより感じてんじゃん」
　シュウはかすかにうなずいた。心も身体もケンを求めているから、快感が深い。しばらく抱きあえないことがさみしいのは、ケンばかりではない。
「早く、欲し……ああ……っ！」
　ケンももう限界だったようで、シュウの言葉が終わらないうちに少し乱暴に押し入ってきた。きつく抱きあい、快感の波に溺れる。激しいキスを交わす。
　荒い吐息にほとんど埋もれた声で、ケンが愛してると繰り返す。自分でそう言っていることに気づいているのかというほどに、快感という熱に浮かされながら。
　こうして身体を繋ぎあって想いを注ぎあえるのは、なんて幸せなことなのだろう。
　シュウは泣きそうな思いで、ケンが与えてくれる快感を全身で受け止めた。