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※※※
風呂から上がって寝室に向かうと、ダブルベッドに腰かけた颯太郎くんが俺に向かって両手を広げた。
ちなみにこのベッドは同居を始める前に二人で一緒に選んだものだ。この家にある家具は全部。あのときの幸せといったらとても言葉では言い表せない。
「凪、おいで」
俺は彼の胸に飛び込む。勢いあまって、そのまま二人ベッドに倒れこんだ。
寝転がったままハグをする。しっくりくる場所を手で探り、お互いに落ち着く体制になると、俺は彼の首筋に顔をうずめてすぅと息を吸い込んだ。
「いいにおいする……幸せ……」
「ん……」
日中の仕事の疲労がすっと溶けてなくなっていく。
彼の癒し効果は半端じゃない。まずいいにおいだし、声も優しいし、俺の腕にすっぽり収まってくれるサイズ感。
毎日寝る前にはこうやってハグをさせてくれるので、俺は体力もメンタルも全回復して次の日を迎えられるというわけだ。
むに、と唇に柔らかいものが触れた。
見ると、彼が上目遣いにこちらを見て笑っている。
俺も彼の唇に自分のものを重ねた。何度も角度を変えてキスをする。
離れようとすれば、彼は俺の身体にしがみついてきた。
「颯太郎くん……」
「凪、もっと」
たまらず深く口づけて、舌同士を絡ませ合った。
彼の喉奥から甘い声が漏れる。それがあまりに煽情的で、気がつくと俺のものは反応してしまっている。颯太郎くんも同じようだった。
「……いい?」
彼はこくりと頷いた。
パジャマの上から彼の胸元を撫でる。数度撫でれば、そこは布越しでもわかるほどぷっくりと主張してくる。
ぷつ、ぷつとパジャマのボタンを外した。この瞬間はとても緊張する。
彼の期待と少しの羞恥が入り混じった視線に射抜かれ、俺の興奮は最高潮に達した。
毎日同じベッドで眠っているが、彼と身体を重ねたことは、実は片手で数えるほどしかない。彼の身体に負担を強いてはいけないという俺の勝手な思いのせいだが、それが余計、彼を不安な気持ちにさせていることも知っている。
だから、こういう時は欲望を隠さないようにしている。
俺がどれだけ颯太郎くんのことを求めているのか、それを、身体全体で知ってもらえるように。
舌先で胸の突起を愛撫すれば、彼は甘くあえいで身体をふるわせた。
初めて会ったときはホテルの部屋で電気を落としてやったけど、今では抵抗なく身体を見せてくれるようになった。
手術の痕が気持ち悪くないかとか、痩せすぎで凪が萎えちゃうかもとか、最初こそ不安そうにしていたが、可愛い可愛いと何度も抱きしめれば、次第に不安な気持ちをなくしてくれたようだった。
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