エピローグ

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※※※  ゆっくりと時間をかけて、指で後ろを解していく。気持ちいい、とか、そこ好き、とか、素直に声に出してくれるのがめちゃくちゃ可愛い。  だいぶ解れてきたので指を引き抜く。すると颯太郎くんはもそもそと起き上がってきて、俺の下着に手をかけた。 「凪、そこ座って。舐めてあげる」  言われた通りベッドの端に足を下ろして座ると、彼はベッドから降りて俺の足の間に割って入った。そして、赤い舌先で俺のものをちろちろと舐める。 「……どう? 気持ちいい?」  彼にフェラをされたのは初めてだった。  その姿は水を飲む猫を連想してしまってなんとも言えない気持ちになる。 「……可愛い」 「気持ちいいかを聞いてるんだけど」 「可愛いよ」  わしゃわしゃと彼の黒髪を撫で回すと、彼はむっと口をとがらせた。 「……ふん。どうせ下手だよ」  次までに勉強しておくから、覚悟しててよ、凪。そう言う彼の唇にキスを落として、ベッドの真ん中に仰向けに寝かせた。  水を飲む猫、本気で可愛かったので、ぜひそのままでいてほしいところだ。  ベッドの下からゴムを取り出して装着する。緊張する瞬間、その二。  横になった颯太郎くんがごくりと喉を鳴らす音が聞こえて、同じく緊張しているのだということがわかる。  今思えば、よく颯太郎くんと初対面でいきなりセックスできたものだと、我ながら感心する。こんなに可愛い颯太郎くんを抱くなんて、緊張するに決まっているのだ。  そもそもどうやって出会ったんだっけ。そうだ、俺が彼をナンパしたんだ。……ナンパ? なんだそれ、恥ずかしすぎる。あの時の俺はどうかしていた。 「……凪、挿れないの?」  彼がじれったそうな声を上げる。 「挿れるね」  そう言って先端を彼の後孔に押し当てた。両手で腰を掴み、ぐっと彼の中を割り開いていく。 「……っ」 「颯太郎くん、力抜いて。息はいて」 「っ、ふぅ」 「そ、上手」  あとはすんなりと最後まで入ってくれた。ローションをつけて念入りに慣らした甲斐があった。 「痛くない?」 「うん」 「動くね」  背中に両腕を回させ、抱き合った状態で律動を開始した。  首筋に顔をうずめれば、彼のにおいが鼻腔を満たした。 「あ……、凪っ」 「ん、気持ちいい? 颯太郎くん」 「気持ちいい」  たまらず唇にキスをする。  目を見つめ合わせれば、どうしようもなく彼のことが愛おしくなる。 「颯太郎くん」 「なに、」 「大好き」  彼は少しだけ目を見開いて、やがてにこりと口角を上げた。 「俺も、大好き……」  再び抱き合って、律動を速める。  お互いに呼吸が乱れ、どんどん余裕がなくなっていく。
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