Dearest Friend

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 同じ人間の雄であっても、ワタクシは大和とはまったく違う生き物だと思い知らされる。ワタクシはビキニを着たお姉さんを性的な目で見ることはできない。あの体になりたいと思うことはあっても、触りたいとは思えないのだ。どうしても。 「パオはどんな子がタイプなん? 乳でかい子?」 「お父さんは関係あるですか?」 「乳ってお父さんじゃなくて、おっぱいね」 「ああ……」タイミングが良すぎる質問に言葉を失った。  本当のことを言ったら嫌われるに違いない。ここは話を合わせておくべきか。でも、おっぱいに興味があるふりをしたところで、どうせすぐにバレてしまう。友達だからこそ嘘はつきたくない。深く息を吸い込んだ。 「ワタクシ、女の人好きくない」  思い切って吐き出した。彼の反応が怖くて俯いた。男らしくない細くて白い自分の膝を見る。 「ふーん。じゃあ男が好きなん?」  驚きもせず、大和が聞いた。  空は雲ひとつなく晴れているのに、視界が曇った。頷いたら世界が変わってしまうかもしれない。 「男が好きは気持ちが悪いですか」  ゲイだとカミングアウトしたのははじめてだった。今までは疑いの目で見られても、肯定はしなかった。自分だけすっきりした気持ちになって、周りを不快にさせるのが嫌だったから。親兄弟も白い目で見られるかもしれない。性的マイノリティが歓迎されないことはわかっている。
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