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ソープのランド
「よろしくてよ。ソープのランドであらゆる体位を会得したこのお蘭に逆らう気なのね?」
飛びかかってきた。
「いえいえ、逆らいませんよ。なにをする気ですか?」
「それほど味わいたいのか。セクシー忍法、『地獄殺法ヌルヌルマット洗いの刑』を」
パンツの中へ手を突っ込んできた。
「いえいえ、それってどんな『地獄殺法』ですか。間違いなくソープランドでしょう?」
ボクは何とかお蘭の手から逃れようと必死だ。
「違うと言っておろう。『ソープのランド』じゃ。ソープランドとはまったく別の異次元の極楽島なのじゃ」
「どんな極楽島ですか。ほとんどソープランドじゃないんですか」
「お蘭は、幼少のみぎりより伊賀忍者の里、『泡の島』で血の滲むような修行を重ねた結果、すっかり小学校を卒業するのを忘れてしまった。うっかりさんなのじゃ」
「自分でうっかりさんって言わないでくださいよ」
「フフゥン、小次郎。味わいたいのか。お蘭の『地獄殺法ヌルヌルマット洗いの刑』を」
「いえ、遠慮しておきます」
「フフゥン、『地獄殺法』で永田町のジジーどもを何人、昇天させたか」
不敵に笑みを浮かべた。
「どんな荒業ですか。そんなお年寄りを無闇やたらに昇天させないでくださいよ」
「お主もモノの数秒で昇天させてやろうか」
「いえいえ、ただちにスイーツを持ってきます」
これ以上、関わってはいられない。ボクは這うようにリビングから逃げ出した。
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