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『という訳だ。俺に会いたいなら満月に来い。まぁ無理とは言わねぇが』
いつの間にか大罪人さんが隣に居て驚く。
『へぇ、よく見ると、なかなかじゃねぇか』
大罪人さんに、じっと見られて恥ずかしくなってきて
「っ…あの…」
『そうだな、“桜月”だ』
「へ?」
『ここにいる間は“桜月”だ。これでお前も“こちらの人間“だ』
「あ…桜月」
嬉しくて、つけてくれた名前を繰り返して言う。
大罪人さんは自分の着ている羽織を脱いでかけてくれる。
『じゃな、桜月。満月の日までせいぜい大切にしろよ。自分のこともな』
そして大罪人さんは独特な香りを残して去って行く。
「あ…待って…羽織」
慌てて声をかけるが、すでに居なくなっていた。
去ったあとでも、独特な香りが残っていて、羽織からしてきて安心できる。
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