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瑞希先生のばーすでぃちょっと前
ひな祭りパーティの真っ最中、ひな壇の上でお内裏様の格好をした伊織先生が翡翠くんが、お雛様の格好をして昇ってくるのを今か今かと待っていた。とてもイヤそうな翡翠くん。ここは助け舟を出さなければなるまい。
「あーー! そう言えば私、誕生日近いんだ!」
「そうだった! バースディパーティしなきゃ!」
更紗さんが叫ぶ。
「このままバースディパーティといきましょう!」
束砂さんも乗っかる。
「実は私、プレゼント用意してたんだよね」
用意周到な薫蘭風ちゃん。
「実は私も」
「俺も俺も」
みんなが続々と誕生日プレゼントを私の前に出す。
「ちょっとぉ! ひな祭りパーティは!?」
ひな壇の上の伊織先生が叫ぶ。
「伊織先生、もう終わったから。今日のメインは瑞希先生のバースディだよ!」
瑠璃くんが、ベッと舌を出した。何だかんだ言って、翡翠くんを伊織先生に渡す気など誰もなかったらしい。
ひな壇の上で伊織先生が悔しそうにしている。
「瑞希先生ありがとう……。僕、なんにも準備できなかったから、これ、にょんたんずからってことで」
翡翠くんは、お雛様争奪戦の景品の衣装を私に渡してくる。
「それ、高価なものなんだよ?」
「いいの。僕には大きいし、お小遣いはちゃんともらってるもの。僕がもらった景品なら、僕の好きにしていいでしょ?」
「そうだね。ありがとう」
「それは翡翠くんに着てもらいたかったのぉ!」
ひな壇の上で伊織先生が叫んでいるが、誰が可愛い教え子をへんたいの隣に行かせるか。
「みんなの勝利だ! 瑞希先生、ハッピーバースデー!」
「いえーい!」
風くんと水くんが叫ぶ。いい教え子に恵まれたなぁ私。
HAPPY BIRTHDAY♪
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