フランクリン・デラノ・ルーズベルト

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フランクリン・デラノ・ルーズベルト

そう言いながら立ち上がった男は上着を脱ぐと近くの椅子に放り投げた後でネクタイを緩めて外した。続けてワイシャツのボタンを上から順番に外していくが、途中で面倒になったのか一気に引きちぎってしまった。そして、今度はズボンを脱ぎ捨てると共に下着に手をかけたところで一旦手を止めると小さくため息をついた後で 「やっぱり面倒だな……」と言いながら躊躇なく脱ぎ捨ててしまった。その結果、全裸の状態となってしまったわけだが、そんなことはお構いなしといった感じで彼は部屋の中を歩き回り始めた。その姿はまるで何かにとり憑かれているかのようだった……。しばらくして満足したのか立ち止まった後でこう言った。 「これで準備完了っと……。それじゃあ、行くとするか」 「どこへですか?」 背後から聞こえてきた声に驚いて振り返るとそこには一人の少女がいた。しかも、いつの間に入ってきたのだろうか?全く気配を感じなかったばかりか気配そのものを感じ取ることができなかったのである。これにはさすがの男も驚きを隠しきれなかったようで思わず後退りしてしまった。だが、すぐに冷静さを取り戻すと平静を装って言った。 「何だ、君か……。驚かさないでくれよ」 すると、少女は首をかしげながら尋ねてきた。 「驚かせるつもりはなかったのですが、すみません……」 そんな彼女の反応を見て男は思った。(どうやら悪気はなかったようだな……) それはさておき、改めて彼女を見るとなかなか可愛らしい顔立ちをしていたため無意識のうちに見惚れてしまっていたようだ。その証拠に頬が赤く染ま 「あの~、どうかしましたか?」 そう言われて我に返った男が慌てて目を逸らすと彼女は微笑みながら言った。 「うふふ、もしかして照れてるんですか?」 「そ、そんなわけあるか!それより早く服を着てくれないか!?」 「あら、ごめんなさい……。すっかり忘れていましたわ」 そう言うと少女は近くにあった棚の引き出し 「おい、何をやっているんだ!?やめろ!!」 開けて中に入っている物を次々と床に投げ捨てていった。そして、全て出し終えると満足そうにうなずいてから言った。 「ふぅ……、スッキリした♪」 一方、その様子を黙って見ていた男は唖然としていたものの、しばらくすると我に返りながら言った。 「お前、何をしているんだ……?」 それに対し、彼女は不思議そうな顔をしながら答える。 「えっ?だってもう必要ないと思ったので処分することにしたんですよ」 それを聞いて男は声を荒げると彼女の胸ぐらを掴みながら言った。 「ふざけるな!!お前は自分が何をしたのかわかっているのか!?」 それに対して彼女は悪びれもせずに答えた。 「ええ、もちろんわかってますよ♪でも、仕方ないじゃないですか……。こうしないと私が殺されてしまうんですから……」 6. 20XX年6月3日12時10分(現地時間)――。 場所は変わってこちらはアメリカ合衆国首都ワシントンD.Cにある大統領官邸内の執務室内である。そこではフランクリン・デラノ・ルーズベルトと彼の右腕的存在 「ヘンリー・カミングス陸軍大将」の姿があった。二人は深刻そうな表情で向かい合って座っていたのだが、やがてカミングスが重い口を開いた。 「閣下、やはり無理でした……」 それを聞いたルーズベルトは小さくため息をつくと言った。 「そうか……。ご苦労だったな」 それからしばらくの間沈黙が続いた後で彼が再び話し始めた。 「さて、どうしたものかな……。このままでは我が国のみならず世界中が大変なことになってしまうぞ……」 「そうですね……」 そんなやり取りの後、二人が黙り込んでいるとドアをノックする音が聞こえてきた。すると、近くにいた補佐官らしき男性が声をかけてきた。 「失礼します。お客様をお連れ致しました」 その言葉にルーズベルトは怪訝そうな表情を浮かべたものの、すぐに気を取り直して 「わかった、通してくれ」と答えた。その直後、ドアが開いて一人の男が入ってきた。それを見てカミングスは驚いた様子で目を見開いた。なぜなら、そこに立っていたのが合衆国海軍の軍服を着た男だったからである。さらに言えばその男の顔には見覚えがあったのだ。そう、この男は先日ワシントンDCにある大統領執務室に現れた謎の人物だった。 「貴様、何者だ?どうやってここに入った?」 すかさず銃を突きつけようとした彼だったが、それよりも先に相手が動き出していたため止める間もなく撃鉄を起こして引き金を引いた。ところが、どういうわけか弾が出なかったのだ。そのため、仕方なく予備の弾倉を取り出して装填しようとしたところで異変に気づいた。なんと、いつの間にか手に持っていたはずの拳銃がなくなっていた 「なっ!?一体どうなっているんだ!?」
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