未知の森で生き延びる方法

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未知の森で生き延びる方法

「次に具体的な方法についてだが、第一段階では敵艦隊の殲滅を目的として行動するわけだがこれには空母艦載機を中心とした航空戦力を投入することになる。また、第二段階でも同様に行う予定ではあるがこちらは戦艦及び巡洋艦などの水上艦艇を主体とした編成となる予定である。ここまでで何か質問はあるか?」 13時15分頃(現地時間)――。 その頃、日本の首都東京にある首相官邸の一室にて総理大臣と防衛大臣 「さて、そろそろいい頃合いかな……?」 20XX年5月1日午後8時過ぎ(現地時間)――。 その日の晩、沖縄県那覇市内にあるアメリカ軍基地内に存在するとある建物の一画にある部屋ではある出来事が起こっていた……。というのも部屋の中には複数の男女がいたのだが、全員揃って頭から血を流して倒れていたのである 「大丈夫ですか!?」と叫びながら駆け寄ると脈を測ってみるものの既に事切れているようだった。それを見て思わず頭を抱えるとその場にへたり込んでしまった。というのもつい先ほどまで行われていた会議の中で出てきた話題が原因だった。その内容とは先月にアメリカのニューメキシコ州で起きた事件についてである。何でも、現地の住民が何者かに襲われて惨殺されたというのだ。しかも 「それだけじゃないぞ!他にも同じような事件が起きているんだ!」 「えっ?どういうことですか?」と聞き返すと彼はこう答えた。 「実はここだけの話なんだがアメリカ各地で似たような事件が起こっているらしいんだよ」 「何だって!?それって本当なんですか?」とさらに尋ねるとうなずいた後で話を続けた。 「ああ、本当だよ。それに実際に現地に行って確かめてみたんだが本当に酷い有様だったんだ……」 それを聞いて思わず息を飲むと尋ねた。 「まさか、そんなことになっていたなんて知りませんでしたよ……。ところで被害に遭った人たちはどうなったんですか?」 すると男は表情を曇らせながら言った。 「それがだな……、全員が死亡していることが判明したそうだ」 14 「そっ、そんな馬鹿な……!」 それを聞いた途端、佐々木は思わず絶句した。なぜなら、彼の予想では今頃は日本の総理たちを相手にプレゼンテーションをしているはずだったからである。それなのに現実は全く違ったのだから驚くのも無理はないだろう。しかし、それも無理はないことだった。何しろ、彼が提案した計画というのはそれほどまでに画期的なものだったからだ。 「くそっ、何てこった……!こんなことならもっと慎重に行動すべきだったな……」 そう後悔するも時すでに遅しだった。というのも、今となっては後の祭りだからだ。とはいえ、いつまでも落ち込んでいるわけにはいかないので気持ちを切り替えてから今後のことについて考えることにした。 (それにしてもこれからどうしたものか……?) 心の中で自問 「うーん……、困ったなぁ……」と言いながら頭をポリポリとかいていた。理由は簡単で現在位置が全くわからない状態だったからだ。何しろ、気がつくと知らない場所にいたのだから当然の反応とも言えた。それでも何とかしようと思い、まずは周囲を調べてみることにした。その結果わかったことといえばここが森の中であることくらいだった。 「やれやれ、参ったなこりゃ……」と言ってため息をつくと近くにあった木にもたれかかりながら空を見上げてみた。空は雲一つない快晴だったため太陽の光が眩しかった。ただ、その一方で気温の方は少し肌寒かったため、このままじっとしていたら風邪を引きそうだなと思ったもののどうすることもできなかった。そこで仕方なくそのままの状態で過ごすことにしたのだが、 「あっ、そうだ!こんな時こそあれを使えばいいんじゃないか!」 そう言うと早速試してみることにした。それは、以前に上司から教えてもらった「簡易版 GPS衛星システム」という代物で、その名の通り人工衛星を利用して現在地を特定することができるというものだ。ただし、これを使うためには専用の機器が必要だったことから、今まで使う機会に恵まれなかった。ところが、今回はたまたまポケットの中に入っていたこともあり試しに使ってみることにしたのだ。ちなみに、その使い方についてはスマホにアプリをインストールしてそれを起動させるだけで良かったのだが、どういうわけか上手く作動しなかったために結局断念せざるを得なかったのだった。 「やっぱりダメだったか……」と呟きながらも今度は別の方法を試すことにした。それは、以前…・3e6c92b5-240a-41ac-941e-7c6222512242
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