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衝撃の報せ、ワシントンに届いた日本軍とドイツ軍の衝突
男の名はエーリッヒ・フォン・マンシュタインという。ナチス親衛隊の高級指導者を務める人物だ。彼はたった今、任務を終えて自宅へ帰るところだったのだが、そこへ通りかかった人々が次々と声を掛けてくるので、なかなかその場を離れることができないでいたのである。そんな状況を何とか打破しようとあれこれ思案しているうちにようやく人込みをかき分けることに成功した彼は、ホッと胸を撫で下ろしつつ歩き出した。それから間もなくして自宅にたどり着いた彼は妻に向かって言った。
「ただいま帰ったぞ」
「おかえりなさいませ、あなた」
妻のマリーは笑顔で出迎えてくれた。彼女は夫の鞄を受け取ると台所へと向かった。そこには朝食の準備ができていた。今日のメニューはトーストにハムエッグ、それにコーヒーである。二人は向かい合うようにして席に着くと食事を始めた。しばらくすると、妻が話しかけてきた。
「そういえば、先ほど新聞を読んでいたのですが、面白い記事を見つけましたよ」
「ほう、どんな内容かね?」
「それがですね――」
そう言うと彼女はテーブルの上に置いてあった新聞を手に取り、あるページを開いた。そこには次のような見出しの記事が書かれていた。
『沖縄県民の大半が宇宙人!?』
それを見た男は思わず苦笑した。なるほど、確かにこれは興味深い問題かもしれないな……。そんなことを考えながら男は何気なく記事に目を落とした。そして、次の瞬間、彼の目は驚きに見開かれた。そこに書かれている内容があまりにも衝撃的だったからだ。
21. 同年同月23日午後3時30分(現地時間)――。
アメリカ合衆国首都ワシントンDCにあるホワイトハウスでは大統領フランクリン・デラノ・ルーズベルトが執務を行っていた。ちなみに、大統領は歴代一貫して共和党員から選ばれていることで知られている。もちろん、これは彼が共産主義を嫌っているからという理由によるものだ。まあ、そんなことはどうでもいいとして……。とにかく、この日もいつものように書類の山を相手に格闘していると、突然ドアをノックする音が聞こえてきた。その直後、秘書の女性が入ってきたかと思うとこう告げた。
「失礼します。緊急の報告が入りましたので、ご報告させていただきます」
それを聞いた大統領は怪訝そうな表情を浮かべた。というのも、つい今しがたまで何の連絡も受けていなかったからである。一体何があったのか? そんな疑問を抱きつつも彼は尋ねた。
「それで、一体何があったのかね?」
「はい、実は……」
そこで女性は一旦言葉を切り、呼吸を整えてから再び話し始めた。
「本日未明、日本本土より南に位置する南西諸島において大規模な戦闘が発生しました」
それを聞いて大統領の顔色が変わった。彼は続けて質問した。
「その戦闘というのは具体的にどのようなものだったのかね?」
「詳細はまだ不明ですが、どうやら日本軍とドイツ軍が衝突したものと思われます」
「なに!?」
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