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「なに!友達できたのか!昨日は気乗りしないって言ってたくせに。で、いつヤるんだ?」
「声がでかいよ…メッセージやりとりしてるだけで、ヤるとかじゃないから」
翌日。昨日のことを天真に説明したら、質問攻めにあった。
「会えばヤるんだよ。それが出会い系だ。で、どんな女?」
「まだよくわからないよ。メッセージも、テレビは見ますか?映画は見ますか?好きな芸能人は誰ですか?とかそんなのばっかり」
「なんだそれ?宗介の好みの確認かな」
「わからない。でも、僕が本しか読まないって言ったら、素敵だって言われた」
「ふーん…で、いくつくらいの人?」
「それが、99歳なんだ」
天真が大声で笑った。
「それは凄い!マッチングアプリは嘘書くこと多いけど、そこまで飛んでると逆に気持ちいいな」
これに関しては僕も同意見だった。
「あんたら、いつも食堂でうるさいって!」
一色さんが隣へ座る。
「おー菜子!いいところに来た。宗介に彼女ができたぞ!なんと年齢は99歳」
「何それ?宗ちゃん、天真、何言ってんの?」
僕はいきさつを一色さんに説明する羽目になった。
「なるほど。宗ちゃんが出会い系ねぇ。いいんじゃない。今の時代ありだよ」
口ぶりから一色さんもアプリを使ったことがあると感じたが、聞かずにおいた。
「進展があったら、あたしにも教えてね」
進展って何だろう。僕は、ナツさんとどうしていきたいんだろう。
よくわからないまま、一色さんには、うん。と返事をした。
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