リーリエ

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 星が輝く夜空の下、2人の店員はカウンター席で雑談していた。 「お疲れ様~。どう? お客さん」 「完全、気に入ってくれたわ。しょせん、あのお客さん……いや、あの男はああいうものよ。」 「酷ーい、リーリエったら」 「あの男、騙してるって自分では思ってるけど、バカよね。自分が騙されてるなんて、思いもしないでしょうね」 「あなたの想像が凄いのよ。リーリエ、いやちゃん」 「しっ。店では源氏名で呼んでちょうだい」 「それにしても、可哀想なお客さんねえ」 「さあ、あの男はどうなるのかしら? 妻とは別れて、私には捨てられて、絶望のどん底へ行く。ああ、面白いこと。でも、焦らないでゆっくりと進めましょうか――」
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