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あの七つ子こと超絶有名美少女女子高生群の存在は、一方的に把握していたが、まさかの告白イベント。まったくと言っていいほど接点のない彼女たちが、なぜ僕を見初め、告るに至ったのか、まるでわからない。木枯らしの吹き荒ぶクラブハウス棟の裏で、てっきり「最近調子乗ってる?」とか因縁を付けられるものとばかり思っていた。
(それか、てっきり、もうひとつの理由かと思ったのに)
というのも、僕には最強の腐れ縁幼馴染がいる。
超絶威圧感の塊で、規格外すぎて皆から畏れられている、学外の不良も蹴散らす前にひと睨みで退散させると噂される剣道部エース。噂の種の尽きない男。名を縹三矢と言う。
僕がこの広い学校内で、無口コミュ障陰キャにもかかわらず、ある程度の生徒から「あの原田」と認識されているのは、僕が「原田」という名字だからだ。縹の次が原田。名前順に並ぶと、縹は必ず僕の前にくる。それで、本来なら相手にもされないだろう僕は縹と、スクールカーストの下と上にもかかわらず、互いに個人的なパイプでつながっていると思い込んでいる先生や生徒が結構いる。
事実は、剣道一筋の縹に時々、ノートを見せてやったり、消しゴムを貸してやったりするだけの間柄だ。縹の射程距離内に毎日入ってはいるが、僕は決して縹の特別なんかじゃない。
特別に、なりたいと思ったことも、ない。
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