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バトロワバレンタイン1
なにこれ死ぬかも。
本気でそう思った。
「「「「「「「原田くん、好きです!」」」」」」」
うちの高校で超有名な、七つ子美少女女子高生群。
その七人が、クラブハウス棟の裏で僕に向かってチョコらしき包みを差し出したのは、二月十四日のバレンタインデーのことだった。
バレンタインにチョコレートと言えば、最近はあまり見ることのなくなった告白アイテムだと、いかにトレンドに疎い陰キャの僕でも承知していた。
「返事は来週聞かせて?」
「楽しみにしてるから!」
「よろしくね!」
「右に同じく〜」
「ホワイトデー、期待してるから!」
「可愛いのお願いしまーす!」
「これにまとめるといいよー、はい、紙袋」
テンション高めに七つ子の最後の一人から、デパ地下の少し大きめの紙袋を賜った。おかげで、僕は七人分のチョコの包みをうっかり地面に落とさずに済んだ。ありがたい。
「あ、ありが……とう?」
手をヒラヒラ振りながら、「じゃねー!」と颯爽と踵を返す彼女たち。
無言で見送る僕。
(え……えええええええ!?)
脳内はコンフリクトしていた。
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