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「解釈違いすぎる! 寧ろわたしの解釈が間違っててごめんなさい!」
瞬時に床に膝をつき、手もついて、土下座スタイルに。
「ちょっと、お姉さん! こんなところで土下座しないで」
ミコが慌ててわたしの手を引いて起こした。
うん、間違いなくミコのはず。
「えっと、もしかしなくても、オトコノコ?」
わたしの目の前にいるのは確かにミコだ。
でも、メイクを落としてメンズファッションに身を包んでいるとどう見てもオトコノコ。
いや、男にしては綺麗な顔なんだけど……。
「メイク技術すご。わたしより女子なのに男の子とか」
本音が零れたので、慌てて口を塞ぐ。
100%手遅れなのはわかっていても、ちらりとミコを見るとクスクスと笑っていた。
「驚かせてごめんね?」
笑いをこらえながら言っても説得力ないです。
何をしても尊いのはもはや周知の事実ですが、やっぱり笑顔が一番イイ!
「世界があなたを赦しています!!」
「スケール大きいね!?」
拝むように両手を合わせて言えば、ツッコミが返ってくる。
夢ですか? 現実ですか? 目の前のこの子は幻?
「おねーさん?」
トリップしていると怪訝そうな顔を向けられた。
ヤバい人だって思われたかもしれない。手遅れな気もするけど。
「思えば、こんなに可愛い子が女の子なわけなかった」
すべてが手遅れなので本音を呟く。
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