最後の電話

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8月20日。 私達、電話交換手たちは、震えながら仕事をしていました。 港の方から、大砲の音が聞こえます。 班長は、私達に言いました。 「いよいよ、ソ連兵が真岡に来るかもしれません。皆さんたちにとして、これを渡しておきます」 私達には小さな包みが、一人一包ずつ配られました。 その時、隣の建物から、ものすごい爆発の音が聞こえてきました。 電話交換室の隣には、郵便業務を行う建物があります。 そこに、ソ連軍の大砲の弾が命中したのでしょう。 私、死ぬのかな? そう思いました。 私は恐怖のあまり、動けなくなりました。 大砲の音は、やみません。 あちらこちらから、ものすごい爆音が聞こえてきます。 班長は、そんな爆音にひるむことなく、淡々と電話交換業務を行っていました。 そうか……私は電話交換手だった…… 「はい、交換です。何番ですか?」 私も仕事に戻ります。
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