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やっぱり、今回も私は一番最後だ。
目の前には人の行列。
数えると、二十人並んでいる。
私を含め、この長い行列の目的は一人の男子生徒。
一つ上の先輩の高校二年生、海野先輩だ。
今日は、月に一回行われる海野先輩ファンクラブのイベント。
「あら、明瀬さん。また最後なのね」
私に声をかけてきたのは、華月先輩。
「いつも私が一番で申し訳ないわね。でも、海野君からのご要望だ・か・ら」
庶民を見下すお嬢様のような言い方をして、華月先輩は去っていった。
私は最後だけど、海野先輩と話せるから苦に思わない。
それに、気持ちを整えることが出来る。
前から気になっていることを、海野先輩に聞くんだ。
そういえば、いつから海野先輩を意識するようになったのだろう?
行列を確認すると、まだ五人しか減っていない。
私の番が来るまで、思い返してみよう。
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