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そうして、セカンドの語った話では。
この星、二十年前に発見されたばかりで、地球人類からは仮にNo.168と呼ばれている惑星には、知的生命体はおらず動植物とL・A・Mが併存していた。ロボの主人は彼らの生態に合わなくなったこの星を捨て、かなり前にどこかに行ってしまったらしい。
でも、また帰ってくるつもりはあったのか、ロボ達に環境修繕作業をさせていたそうだ。そのため、ロボ自身で自分達の製造と調整ができるような仕組みを作っていた。
その機構は最近までうまく働いていた。だが、ある時彼らの行動プログラミングに複製ミスが起こった。しかもほぼ同時期に二つ別々のミスが起こったらしかった。
そのミスのせいで、製造された個体が二群に分かれ、なぜかいがみ合うようになったとか。さらにその二つの群は、αグループの管理下にあるロボ製造ラインに侵入し、プログラミング前の個体を奪取し出した。
そして、奪取した個体に、自分達と同じ行動プログラムをインストールしているそうだ。
結果、地球時間で百年ほど経った現在では二つの群は膨れ上がり、本来の仕事なんか全く忘れて、お互いに争ってるばっかだとか。
その喧嘩を止め、元の役目に戻るように彼ら……便宜上#群と♭群と呼ばれている彼らを説得してほしい。セカンドはそう言った。
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