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殺し屋一族の末裔と吸血鬼
平穏で平和な日常がある日突然‥‥壊された。
家族が、私の目の前で殺された。
私は、何があったのか、分からなかった。
目の前が真っ暗になった。血生臭い匂いが漂っている。
ここでは有名なマフィアが血まみれの家で喋っている。
私はひどく動揺していたから、言っていることが聞き取れなかった。
マフィアに後から聞くと、こんなことをしゃべっていたようだ。
「お、おい!子供もさっさと始末しろ!逆恨みで殺されるのは勘弁だ…。」
「いやっすよ。だってきれいで、何年かしたら絶対化けると思いますし…。」
「なに言ってるんだ!?仮にもこいつはルルバーグ家の子供だ!油断してたら殺されるぞ!」
「なら、利用すればいいじゃないっすか?ルルバーグ家の子供なら、鍛えたら、きっといい殺し屋になると思うっす!」
「お前は一歩も引かないな…。良いだろう。マフィアのボスに聞いてやろう」
ー1時間後ー
「‥‥仕事をこなせば、衣食住は与えてやる。」
と、こっちを興味のある目で見たマフィアのボスが言った。
そんなこんなで、私はマフィアに飼われた。
だけど、私に来るのは殺しの仕事だけだった。
ーそんなの、耐えられなかった。
だから、反射的に逃げ出していた…。
そして、気づいたら知らない町のスラムに来ていた。
このあたりの記憶は曖昧でよく覚えていないが、ごみをあさってそれを売って、その金で暮らしていた。
何か月か経つと、怪しい男に拾われた。
その男は(スラムでしばらく暮らしていた)私にしては贅沢すぎるくらいの衣食住を提供し私をメイドとして雇った。
その時はとても幸せだったことを覚えている。
ーだがそれは長く続かなかった…。
私はその男に吸血鬼にメイドとして売られたのだ。
甘やかしすぎていた対応は、売り物に傷がつかないように売るためだった
私はそんな男に失望し、この世界の残酷さを恨んだ。
ーーだがそれは杞憂だった。
私を拾ってくれたその吸血鬼は、とてもいい人だった。
(面白がっているともとれるが)
覚えている記憶を頼りに、話の全容を話したいと思う。
私は吸血鬼に売られた時すごく怖かった。
ーだって血を吸われて、死んじゃうご飯用だと思ったから。
男はメイド用で売ったと言ったが、私は裏切られているので信じきれなかった。
私は吸血鬼に出会った瞬間、こう思った。
ーとてもこの世に実在してるのか疑うほど、絵になる女の人だと思った。
吸血鬼は私が怯えているのを察したのか話してくれた。
「ねぇ…。貴女…。とても奇妙な生い立ちらしいわね…。
‥‥なんでも裏世界で有名なルルバーク家の生き残りだとか。
流れに流れ私のところにやってきて。‥‥いや、落ちに落ちた。が正解かしら。‥‥とてもかわいそうね。貴女は…。」
からかっているのか、同情してるのか知らないが、くすっと笑った吸血鬼はそんなことを言った。
ところで吸血鬼が言った【ルルバーグ家】とは何だろう?
私は元殺し屋だけど、ルルバーグ家は普通の家庭だ。
そんなことを思っていると心を読めるのか
吸血鬼は私が疑問に思ったことを言ってくれた。
「貴女の家は裏世界で有名な殺し屋だったのよ?
貴女は、普通の家庭と思い込んでいるけど。
そういえば名前を言い忘れていたわね。妾はルラ。
貴女の名前は知っているけど一応聞いておくわね?」
吸血鬼は、心でも読めるんだろうか?そんな疑問が確信に変わった。
私は名前を聞かれたが、ルラによくない感情を持っていたので、不機嫌に答えた。
「私?私はロティ―・ルルバーグだけど?なんか文句ある?」
そう言うとルラは安心したようだ。ルラは何かを察してか私の不安を払拭してくれた。
「妾はご飯用にあなたを買ったわけじゃないから安心しなさい?
男が言っていたメイド用に買ったから。
そういえばあなたはマフィアとあの男に復讐、とかしたくないの?」
ルラはクスクスと笑いながら復讐を強調しながら言った。
「もちろん!!あいつら、何もしてない…とは言いにくいけど私の両親殺したし、あの男は私の純粋な心を汚したもん。」
気づいたら私は早口でそんなことを言った。
ルラは面白いものを見るように笑いながら復讐の手伝いをするよと言った。
これから、また私の新しい物語が始まるのだ!
生きる希望を持ち、これから楽しくなりそうと思った私だが、これはすぐに序章に過ぎなかったことを思い知らされたのだった。
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