和尚は赤いのがお好き

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 佑は、専門学校を出てから、叔父の和田祐一が住職を務める、この赤心寺で見習い僧として修行している。叔父夫妻には子どもがいないので、将来この赤心寺を継ぐことになるだろうと心の中で決めている。叔父たちも、佑を実の子どものようにかわいがってくれている。  合コン用のシャツの到着を心待ちにしていたので、「和田祐一様」とあるところを、自分宛と思い込んだのだった。  大変なことになった……。  これが、単行本とか男物の服とかなら、和尚に詫びれば済む。  だが、女性用下着となると、話は別だ。  佑は、これは叔父さんが叔母さんに着せるために買ったのか、と思い、すぐにかぶりを振った。そんなことは想像するだにおぞましい。叔母さんは、佑にとって、母親同然の存在だからだ。 「たすくちゃん、おやつよ」  突然部屋をノックされて、心臓が縮み上がった。 「すぐ行きまーす」  慌てて返事をして、ダイニングに行った。いつもと違って叔母さんの顔をまともに見られず、そそくさと和菓子を食べ、世間話もろくにせず、部屋に戻って来た。
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