和尚は赤いのがお好き

　つまるところ、真相はどうあれ、もし正直に告白すれば、これまでの辛抱も、将来設計も、おじゃんになる。だめだ、だめだ。他の手を考えねばならない。
　じゃあ、アマゾンの箱を修復してみるか。
　破った段ボールの開口部の切れ端を、ゴミ箱から拾った。これを箱に張り付けるのだが、強く張り付けると、引っ張ったとき剝がれなくなる。糊を最低限にしてつけてみよう。
　新品の箱には見えないが、まあ、ぱっと見には気づかないかもしれない。
　さっきの宛名のシールを、伸ばして張り付けてみよう。ああ、これもすぐに剥がれないとおかしい。糊を最小限にして張り付けてみる。
　だめだ。しわができて、不自然なことこの上ない。これではすぐにばれてしまう。
　他の方法はないか。
　そうだ！　すぐ返品して、もう一度アマゾンから新品を送らせよう。
　返品理由は、ビニール袋が破れていたと、でっち上げればいい。アマゾンの返品の仕方をスマホで調べた。
　まず、「注文履歴」を選択し、「返品したい商品」を選択、「商品の返品」を選択……
これならいけそうだ。
　こっそり叔父さんの書斎に入って、パソコンを立ち上げた。