和尚は赤いのがお好き

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 だめだ! 叔父さんはパソコンを買い替えたばかりだ。ウインドウズ・イレブンはPINが要る。万事休すだ……  その日の夕食の時間は地獄だった。叔母さんとも叔父さんとも話をせず、ひたすら食事を手早く掻き込んだ。「ちょっと疲れているので部屋に行きます」と断って、自分の部屋にこもった。  どうするかを一心に考えていたとき、名案が閃いた。あの赤い下着を自分で注文して、叔父さん宛てに送ればいいのではないか。スマホで調べた。宛先を他人にした場合、発送元は「アマゾン」としか書かれないので、俺が注文したとばれることはない。  よし、決まりだ。アマゾンのサイトを開き、「アカウントサービス」、「アドレス帳」、「新しい住所を追加」をクリックして、叔父さんの名前と住所を追加登録する。商品を検索した。うわあ、上下で八千円か。俺のシャツの倍もするのか。高いけれど、仕方がない。ポチッと押した。  次の日、佑宛ての箱と叔父さん宛ての箱の両方が届いた。受け取った佑は、叔父さん宛ての箱を、叔父さんの書斎に置いた。   
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